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移民とお茶@アムステルダム

オランダ、アムステルダムの南東部にあるBijlmerというエリアには150カ国10万人の人が住んでいる。

70年代に人口が増えすぎた都市部のベッドタウンとしてこのエリアがつくられた。
しかし1975年に植民地であったスリナムがオランダから独立したことをきっかけに、多くの移民がオランダに流入した。政府はこの地区に移民のソーシャルハウスを設けた。

犯罪率が増加し、「ダークタウン」として認識されるまでに時間はかからなかった。
隣り合う高層マンションにはビルを繋ぐ通路が内側にあり、当時は昼間でも外を歩けなかった、と聞く。

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ビルの内側にある通路が2階部なのも安全上の理由

1992年に同エリアで航空機墜落事故が起こったことがきっかけで、都市開発を進めた。
Amsterdam Ajaxのメインスタジアムと周囲に整理されたショッピングモールを建設、そして若いアーティストに安価にアトリエやワークショップスペースを提供する。
高層ビル群の壁にも(好きか嫌いかは別にして)アーティストが書いた作品が並ぶ。

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都市計画

 

 

そのおかげか2011年、私がオランダに越した時には”見ため”は他のエリアと変わらなかった。
ただオランダ人の友人の中には「近寄らない方がいいよ」とか「あそこに住んでいる人はちょっと」と言う人がいたのも事実。

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ちなみに私はスリナム料理好き。これも都市開発が進んで本場スリナム料理が同エリアで食べれるようになったおかげ!

2016年7月に訪れたイベント日本人アーティストによるたにやまきょうこさんによるtea talks お茶と祖国はこの人の気持ちを変えるきっかけとなる”かもしれない”プロジェクトだった。
(”かもしれない”としたのは人の考えを他者がすぐに変えることは難しいし、できたら怖いから。)

”歴史を調べていた時に、一つの記事に出会いました。そこには住人は挨拶はするが、言葉の壁があるため、お互いの家を訪れお茶をすることは無かった、と書かれていました。お茶文化は世界中にあります。私はお茶をコミュニケーションの橋渡しとすることにしました。祖国のお茶のレシピを教わる、という目的を交流の糸口にしてBijlmerに居ながらにして、世界のどこかのストーリーを集めたいと思いました。”(たにやまさんウェブサイトより)

イベントにはBijlmerに住む5名の参加者の祖国のお茶のレシピと写真が展示されており、テーブルには緯度経度がついたティーカップがあり、5名の参加者がお茶についての思い出とレシピを他の参加者とシェアしていた。

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スパイスが入ったお茶やミントティーなどはじめて飲む味が多かった
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同じスリナム出身でも、地域や育った家庭で飲んでいるお茶が違う。出身地を書かず緯度経度で表現されているところがポイント

異なる国の味を楽しめる人は、異なる文化や価値観を受け入れることができる人

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