カテゴリー別アーカイブ: 品種

ジャガイモ有機栽培

オランダ北部Ensにある有機栽培農家

現在の経営面積は70haで作付品目は、小麦や20種類のジャガイモ、ホウレンソウ、ニンジン、タマネギ、チコリー、キャベツ、パースニップ、セロリ、カボチャ、ビーツ、イチゴ、ルバーブ、スイートコーン、アーティチョーク、カラスムギなど6年輪作。

内10haのジャガイモ圃場では一般的に出回っていない品種を栽培している。

Allians
EUROPLANT社で育成
中早生で硬めの生食用

Bionica
ヴァーヘニンゲン大学の研究者がアンデス野生種をもとに育種
硬めの生食用

Carolus
Agrico社で育成
生食用で目が赤い

これらはオーガニック品種として育種されたもので、疫病耐性が高いため、ha収量は25~40tとそんなに少なくない。ちなみに、オランダでの有機栽培の平均収量は35t/haで、慣行栽培の2割減。

また以下のような古くから存在する品種も栽培している。

Mayan Twilight
赤と白の斑紋が目を引く

Villetta
皮色も肉色も紫

Red Emmalie
皮色も肉色とも赤

詳細をご希望の方はコメントお願いします。

 

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シロシストセンチュウ抵抗性品種

歴史を遡るとオランダではじめてシストセンチュウが検出されたのは1941年。
以後1990年まで撲滅を試みたが、結局まん延してしまったため、検査方法の見直し、抵抗性品種の使用、トラップクロップの活用などを行い現在はマネージメント型のセンチュウ対策にシフトしている。薫蒸材、殺線虫剤の使用を大幅に削減した。

以前はシストセンチュウ、シロシスト感染圃場の多いドレンテ(北東部)ではスターチしか栽培できなかったが、抵抗性品種により近年は少しずつ生食用の栽培も増えてきている。

一部生食用の抵抗性品種の例を挙げると…

  1. Innovator
    シロシスト:Pa2に8、Pa3に9と抵抗性レベルが高い
    シスト:抵抗性はない
    HZPC社育種
    ヨーロッパで最も多く栽培されているシロシスト抵抗性品種
  2. Monte Carlo
    シロシスト:Pa2に8、Pa3に9
    シスト:Ro1:9、Ro2/3:9、Ro4:8
    TPC社育種
    シロシスト、シスト共に抵抗性レベルが高い詳細は
    http://agri-biz.jp/item/detail/4184?item_type=1

 

 

オランダのジャガイモ(1)Agria

オランダには1000種類近くのジャガイモの品種が存在します。
消費者は品種名ではなく、料理法(とても柔らかい、柔らかい、かたい)で購入を選択します。
そんなオランダですが、品種を知ることでよりオランダジャガイモ生活が楽しめる!と信じていますので、
勝手に「ジャガイモプロジェクト」と題し、品種の紹介をしていきます。

第一回目はオランダのジャガイモの紹介において避けては通れない品種 “Agria”

Agriaは1986年に品種改良された古い品種ですが、未だにオランダでは汎用性の高さから人気があります。
生食用はもちろん、フライドポテトなど加工用としても有用ですし、オーガニック栽培用のAgriaもあります。

オランダに住んでいたら一度は口にしたことがあるAgriaです。

基本情報

– 皮色: 黄色
– 肉色: 黄色
– 形: 長楕円
– サイズ: 大きい
– 早生品種
– 収量高い
– 少し柔らかめ

調理法 
個人的にはノンフライヤーで手作りフライドポテトを作る時にはこの品種を使用します。
少し柔らかめの品種ではありますが、もっちり感もあるので、フライドポテト、ベイクドポテト、ポテトサラダにも使います。
ちなみにオランダのポテトサラダは日本のものよりしっかりマッシュしてクリーミー&マヨネーズでかなりしっかり味付けがしてあります。

疫病耐性

– ジャガイモシストセンチュウ: RO 1 と4 完全に耐性あり
– 塊茎褐色輪紋病, エルヴィニア菌, Ynウィルス, Yntnウィルスと疫病に耐性あり
– ジャガイモシストセンチュウ: PA 2 and 3, そうか病, 粉状そうか病, 黒アシ病, 根こぶ病 1, 2 ,6には耐性が少ない

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